料理人の独り言 ❘ 下積み編〜バルサミコ酢〜

料理人の独り言

とあるリゾートの結婚式場。

ホテルに勤めていると、同じ系列の施設で人が足りない時に、応援に飛ばされることがあります。

特に、雑用をやっているペーペーは。(笑)

私も、もちろんペーペー。

何もわかりません。

どんな料理が出るのか。

どんな人がいるのか。

どんな場所なのか。

まぁ、まるで未知です。(笑)

そんな所に、一人で行かされる。

そりゃ緊張します。

厨房に入ると、何やら鍋の中でボコボコ湧いている黒い液体が。

「……何だこれ?」

火を付けっぱなしで、誰か忘れて行ったのかな。

危ないな〜。

そう思って、火を消しました。

しばらくして、シェフが戻ってきました。

「よろしくお願いします」

すると、

「誰だ〜、火を消したのは?」……。

ホントは口笛でも吹きながら、知らんぷりしたかった。(笑)

「……私です」

「詰めてるのに、何で消すんだ〜!」

へっ……。

黒い液体の正体は、バルサミコ酢。

なるほど。

バルサミコ酢は、煮詰めていたんですね。

でも、当時の私にはそんなこと知りません。

調理学校では、お酢は最後に入れないと酸味が飛ぶと習った。

味噌汁は沸かしたらダメとも教わった。

だから、ボコボコしてたら、火を止めるでしょ〜。

と思ったわけです。(笑)

お酢って、煮詰めると酸味が飛んで、甘みが出てくるんですよね。

今なら、詰まり方を見れば、

「そろそろ火を止めよう」と判断できます。

でも、そんなもん……ペーペーには、わからんがな。(笑)

まぁ、シェフも忙しかったんでしょう。

イライラしていたのも、今ならわかります。

でもね。一応、私も傷つきます。(笑)今になって思う。

言い方、ひとつなんだけどな〜。(笑)

そんな、下積み時代のお酢のお話。ちなみに今では、私もビネガーは普通に詰めます。

カレーを作る時なんかは、米酢を詰めて使うこともあります。

お酢も料理次第。

あの時の私に教えてあげたい。

「お酢、全部が最後じゃないぞ。」

そして皆さん。

洋食の厨房に入った時は、むやみに火を止めないように……

いや。

人がいなかったら、止めたほうがいいと思います。危ないから。(笑)

まぁ、そんな厨房に入る人も、あんまりいないと思いますけどね!!

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