いつ頃だったかは忘れてしまいましたが、ホテルで働いていた頃の話です。
当時は、中国人のスタッフも何人か一緒に働いていました。
ある日、違う部署のパートのおばちゃんが、なぜか僕の近くをウロウロしていました。
何か言いたそうなんですが、目が合っても声をかけてこない。
「なんだろうな?」
と思って見ていると、そのまま中国人スタッフのところへ行って、何やら話し始めました。
いや、全部聞こえてるんですけどね(笑)。
すると今度は、その中国人スタッフが僕のところへ来て一言。
「パプリカガ、タリナイヨ」
……。
いや、さっき聞こえてたから知ってるけどさ(笑)。
なんで間に中国人はさむの?
しかも、さっき日本語で聞こえていた内容が、なぜか一度中国人スタッフを通すことで、ちょっと分かりにくくなってる(笑)。
僕としては、
「いや、直接言ってくれればいいんだけど……」
という気持ちです。
でも、よく考えてみると、もしかしたらおばちゃんにとっては、直接言うのがちょっと苦手だったのかもしれません。
「パプリカが足りない」
たったこれだけの話なのに、なぜか僕のところに届くまでに一人、通訳が入る。
ホテルの厨房って、料理以外にもいろいろなドラマがあります(笑)。
当時は、外国人スタッフと一緒に働くことも珍しくありませんでした。
言葉が通じないこともあります。
逆に、日本人同士なのに、なぜか言葉が通じないこともあります(笑)。
そして、あの時の僕は、いったい何人に見えていたんだろう。
今でも、たまに思い出して笑ってしまいます。
ちなみにパプリカは、ちゃんと補充しました(笑)。
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