山の暮らし|〜ウリ坊〜

山の暮らし

夜、車で山道を走っていると……

いました。

ウリ坊です。

しかも、3匹。

「かわいいな〜」

なんて、車の中から眺めていたのですが……

ここで、ふと思った。

そもそも、なんで「ウリ坊」なんだ?

山で暮らして10年。

今さらです(笑)。

ずっと「ウリ坊、ウリ坊」と呼んでいましたが、考えてみればちゃんとした理由を知らない。

ということで、調べてみました。

すると……

シマウリという植物の模様に似ているから「ウリ坊」らしい。

……。

それだけかい!!(笑)

いや、もっと何かあるのかと思っていました。

昔の人がものすごく深い意味を込めて、

「この子たちは、将来……」

みたいな話かと思ったら、

「模様がウリっぽいから」でした。

それならさ……

スイカでも良かったんじゃない?

「スイカ坊」……。

ちょっと長いな(笑)。

やっぱり、ウリ坊でいいか。

呼びやすいし。

ということで、10年越しの疑問。

無事、解決しました。

……なんか、スッキリしたような、しないような(笑)。

かわいいけど、近づいてはいけません。

そんなウリ坊ですが、山で暮らしていると、よく聞く話があります。

「親イノシシが近くにいるから、絶対に近づいちゃダメだよ」

という話。

昔、近所の人がウリ坊を捕まえようとしたことがあったそうです。

「かわいいな〜」

と思ったのかもしれません。

ところが……

その瞬間。

遠くから、親イノシシがものすごい勢いで走ってくる。

「ヤバい!」

と車に逃げ込む。

そして……

ドーーーン!!

車のフロント、ベッコリ。

いやいやいや。

ウリ坊、かわいいけど……

親、怖すぎるだろ(笑)。

まさに、

猪突猛進。

昔の人、うまいこと言ったもんです。

なので、山でウリ坊を見つけても、

「かわいい〜!」

と近づいてはいけません。

写真を撮るなら、車の中から。

安全第一です。

そして春になると……

そんなかわいいウリ坊たちですが……

私には、ちょっと複雑な関係があります。

なぜなら……

春になると、

筍をめぐる戦いが始まるからです。

私が山に入り、

「おっ、いい筍発見!」

と掘る。

イノシシも、

「おっ、いい筍発見!」

と掘る。

私、

「今日は疲れたから、これは明日掘ろう」

 と目印をつけて帰る。

そして翌日。見に行くと……ない。

いや、正確にはある。

でも、食い荒らされている。

「昨日まで、ここにあったじゃん……」

となります。

奴らは鼻がいい。

本当にすごい。

私が、

「明日掘ろう」

と思った筍を、

イノシシは、

「今日いただきます」

していく。

完全に競争です。

いつか、このウリ坊たちも……

今日見かけた、このウリ坊たち。

今はまだ、

「かわいいな〜」

なんて見ています。

でも……

数年後。

大きくなった彼らが山の中で、

「おっ、筍だ」

と鼻をクンクンさせている。

その頃、私も、

「おっ、筍だ」

と山に入る。

そして……

筍争奪戦。

人間代表、私。

イノシシ代表、今日のウリ坊たち。

これはもう、真剣勝負です。

だから今のうちに言っておこう。

早く大きくなれよ。

そして、立派なライバルになってくれ(笑)。

……でも、できれば筍は、私の分をちょっと残しておいてください。

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