ある日、友達がペンションにやってきた。
「昨日TVでやってたんだけどさ、黒い網戸にすると景色が綺麗に見えるみたいだよ!」
それは良いことを聞いた!
ここは山の上のペンション。
なんといっても、景色が売りだ。
「よし、替えてみよう!」
まずは、1枚だけ。
早速、黒い網戸を買ってきて取り替えてみる。
そして、窓の外を見てみると……
「うわ〜、全然違うじゃん!」
本当に透き通るように見える。
これはいい!
「よし、全部変えちゃおう!」
しかし、ここで問題が。
ペンションの網戸は20枚以上ある。
全部替えるとなると、お金もかかる。
そして、何より……
面倒くさい(笑)。
でも、せっかく景色が綺麗に見えるようになるんだから、ここは重い腰を上げるか〜。
ということで、せっせと交換。
そして……
よし!全部取り替え完了!
これでお客様にも、さらに綺麗な景色を楽しんでもらえるぞ。
お客様をお出迎えしますか〜!
「わぁ〜、綺麗!」
よしよし。
狙い通りだ。
……と思った数時間後。
「すいませーん。子供が網戸破いちゃって……」
「えっ……」
替えたばかりなのに……。
でも、子供がやったことだ。
しょうがない。
「大丈夫ですよ〜。張り替えますね!」
ということで、張り替え。
よし、完了。
これで大丈夫。
……と思った次の日。
「すいませーん」
「はい?」
「子供が網戸破いちゃって……」
「…………え?」
どういうこと?
さすがにおかしい。
いくらなんでも、こんなに続くものなのか?
そこで、ようやく原因が分かった。
どうやら……
黒い網戸は、網戸そのものが見えにくいらしい。
景色が綺麗に見える。
それは間違いない。
でも、その分、網戸があることに気づきにくい。
子供からすると、
「ここ、開いてる!」
と思って、そのまま……
ドーン!
そりゃ破れるわ(笑)。
結局、その後も同じことが繰り返される。
張り替えては破れ。
張り替えては破れ。
さすがに危ない。
ということで……
普通の網戸に戻しました(笑)。
あれだけ頑張って、20枚以上交換したのに。結局、元に戻る。
経営って、こういうこともあるんだな〜。
黒い網戸。
景色は、本当に最高によく見える。
でも、
「綺麗に見えるから、どこにでも付ければいい」
というわけではなかった。
やっぱり、
何事も使う場所を考えることが大事。
……ということを、身をもって学びました。
トホホ……。


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