山の上の経営録 ❘ 過去の自分に言ってやりたいこと③〜運転資金編〜

ペンション経営

運転資金を軽く見てはいけない。

これは、過去の自分に本当に言ってやりたい。

「運転資金を軽く見るな」と。

例えば、100万円の運転資金があったとします。

こんな山の上の小さなペンションです。

「100万円もあれば、余裕でしょ!」

過去の私は、本気でそう思っていました。

しかし、実際に経営してみると……

100万円なんて、あっという間に消えます。

いや、本当に。1カ月で飛んでいくことだってあります。

なぜ、そんなにお金がなくなるのか?

仕入れがあります。

電気代や水道代、ガス代があります。

人件費もあります。

借入金の返済や、リース代もあります。

そして、突然の修繕費が発生することもあります。

「えっ、こんなにお金が出ていくの?」

経営を始めてから、何度そう思ったことか。

※最近は気晴らしに外で仕事をやることも増えてきました!

そして、その中でも特に大きいのが……

クレジットカード決済です。

もちろん、カード決済はお客様にとって便利です。

今では、宿泊予約もカード決済が当たり前になっています。

しかし、経営する側からすると、

「売上が発生した=すぐにお金が入ってくる」

とは限りません。

例えば、1月にカード決済された売上が、実際に入金されるのが2月末だったとします。

その間にも、仕入れの支払いはあります。

電気代も払わなければいけません。

人件費も必要です。

その他の経費も、当然のように発生します。

つまり、売上はあるのに、手元に現金がない。

そんなことが起こります。

この時間差を埋めるのが、運転資金です。

簡単に言えば、お金が入ってくるまでの間を、手元のお金でつなぐ。

これが運転資金の役割です。

「支払いは待ってくれない」

この言葉、経営の話ではよく聞きます。

でも、本当にその通りなんです。

売上の入金は、来月かもしれません。

再来月かもしれません。

しかし、支払いは今月やってきます。

だから、売上があっても現金が足りなくなれば、経営は止まってしまいます。

これが、よく言われる「黒字倒産」につながるんですよね。

帳簿上は黒字。

売上もある。

利益も出ている。

でも、手元の現金がない。

そして、支払いができない。

経営をしてみて、私が強く感じたことがあります。

それは、経営で一番大切なものは、現金なのではないか?

ということです。

こんなことを言うと、

「守銭奴ヤロー!」

と言われるかもしれません。

いや、言われないかもしれませんが(笑)

でも、本当に現金なんです。

例えば、

「今月の売上、200万円ありました!」

これは、もちろん嬉しい。

しかし、そのうち150万円がクレジットカード決済だったとします。

すると、

「やったー!今月200万円売れた!」

だけでは終われません。

その150万円が、いつ入金されるのか。

それまでの支払いを、どうやって乗り切るのか。

そこまで考えなければいけません。

これが、私の店の現実です。

さらに、突然の出費が重なることもあります。

設備が壊れた。

修理が必要になった。

想定外の支払いが発生した。

そんな時には、

「やべっ……現金が尽きるぞ」

となります。

そして、

「来月の入金まで、なんとか生き延びるぞ!」

となるわけです。

これ、本当にあります。

経営を始める前の私は、

「売上があれば何とかなる」

と思っていました。

しかし、実際には違いました。

売上があることと、現金があることは別です。

過去の自分に言ってやりたい。

「100万円あれば余裕でしょ!」

じゃない。

「その100万円は、いつまで持つんだ?」

と。

売上を上げることも大切です。

利益を出すことも大切です。

でも、それと同じくらい、手元に現金を残しておくことが大切です。

運転資金。

経営を始める前の私は、この言葉を知ってはいました。

でも、本当の意味では理解していませんでした。

今なら分かります。

運転資金とは、経営を続けるための命綱です。

過去の自分に、もう一度言ってやりたい。

「運転資金を軽く見るな。」

そして、

「売上ではなく、現金の流れを見ろ。」

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