これから、山は雨の季節に入っていきます。
晴れの日が減り、霧や雲が増える時期です。
でも、山の景色が一番変わるのも、実はこの季節だったりします。

朝、外へ出ると、 山の下に雲が広がっていました。
いつも見えている町が、 まるで雲の下に沈んでいるようでした。

普段なら、そこには町が見えます。
建物があって、道路があって、人の暮らしがあります。
でも、この日は何も見えない。
ただ、白い雲だけが広がっています。
「今日は、下が全部雲だな。」
そんなことを思いながら、しばらく眺めていました。
山の上にいると、こういう景色に時々出会います。
雲が低い日には、まるで自分が雲の上にいるように感じることもあります。
逆に、霧が出れば、今まで見えていた景色が突然消えてしまう。
そして、少し時間が経つと、何事もなかったように景色が現れる。
同じ場所なのに、毎日違います。
だから、
同じ景色は、たぶん二度と見られません。
山の天気や気温、風の流れ。
いろいろな条件が重なって、その瞬間だけの景色が生まれます。
だからこそ、僕は朝に外へ出るのが好きです。
「今日は何が見えるかな?」
なんて、ちょっと楽しみになります。
派手な観光地ではありません。
大きなアトラクションがあるわけでもありません。
でも、朝、カーテンを開けたら、昨日とは違う景色が広がっている。
そんな小さな驚きが、山の上の宿にはあります。
この日も、しばらく雲を眺めていました。
そして、
「今日も、いい景色だな。」
そう思って、仕事に戻りました。
山の上で暮らしていると、こんな予定外の景色に出会えるのも、楽しみのひとつです。


コメント